猫先生との出会い②
元イケおじ占い師は、最後はちゃんと占い師だった。
もちろん、その日のうちに言われた通りに好きなノートを探しに出たし、どこの山に行こうか考えた。
何日かかけてお気に入りのノートを見つけて、好きなことやら、やりたいことをわからないまま、そうかも?好きかも。うん、好きな気がするくらいの気持ちで色々書いてみた。
だって、本当にこれが好き!って言い切れるものはなかったし、手に職ってかっこいいと憧れたりはしたけれど、何を身につける?と言われれば、やっぱりわからなかったのだった。
何日かかけて探したかいあって、そのノートは私のお気に入りになったし、毎日持ち歩いていたそんなある日、私は山に登ることにした。
やっとのことだった。だって山に登るなんて正直、面倒くさかった。
友達とおしゃべりしながら、なんて楽しいかもしれないけれど、悲しいことにそんな友達もいなかった。
ええ、文字にすると尚のこと、寂しさは増すもの。やめましょう、この話。
運動なんかもう何年もしていなくて、ゆっくりゆっくり登って休んで、はぁはぁ息は苦しいし、汗はかくし、いいことなんて何もないじゃない。くそじじい。
なんて暴言を心の中で吐きながらも、登ってしばらく体調不良。のち爽快。空気が気持ちいいと感じる余裕まで出てきて、もちろん元イケおじ占い師に感謝。いや、イケおじ占い師に感謝。
その山からおりて駅まで帰る道の途中に見つけたのが猫先生のいるハーブ屋さんだった。
つづく