猫先生との出会い②
元イケおじ占い師は、最後はちゃんと占い師だった。
もちろん、その日のうちに言われた通りに好きなノートを探しに出たし、どこの山に行こうか考えた。
何日かかけてお気に入りのノートを見つけて、好きなことやら、やりたいことをわからないまま、そうかも?好きかも。うん、好きな気がするくらいの気持ちで色々書いてみた。
だって、本当にこれが好き!って言い切れるものはなかったし、手に職ってかっこいいと憧れたりはしたけれど、何を身につける?と言われれば、やっぱりわからなかったのだった。
何日かかけて探したかいあって、そのノートは私のお気に入りになったし、毎日持ち歩いていたそんなある日、私は山に登ることにした。
やっとのことだった。だって山に登るなんて正直、面倒くさかった。
友達とおしゃべりしながら、なんて楽しいかもしれないけれど、悲しいことにそんな友達もいなかった。
ええ、文字にすると尚のこと、寂しさは増すもの。やめましょう、この話。
運動なんかもう何年もしていなくて、ゆっくりゆっくり登って休んで、はぁはぁ息は苦しいし、汗はかくし、いいことなんて何もないじゃない。くそじじい。
なんて暴言を心の中で吐きながらも、登ってしばらく体調不良。のち爽快。空気が気持ちいいと感じる余裕まで出てきて、もちろん元イケおじ占い師に感謝。いや、イケおじ占い師に感謝。
その山からおりて駅まで帰る道の途中に見つけたのが猫先生のいるハーブ屋さんだった。
つづく
猫先生との出会い①
目の前には、ちょっと汚らしいおじさんがひとり。
なんでこんなことに、こんなはずじゃなかったと思ってももう遅い。
なんていったって個室、なんていったって料金発生中。
ただいま占い中。
なんてこった。表の写真はいつのものですか?と軽く問いた出したくなるのを堪える。
小綺麗なイケおじ、見る影もなく(失言)
さらに最初は占ってくれていたものの、匙を投げた元イケおじ占い師。
もはや占いはやめていた。
さて、なんで私が占いに来ているかというと、(人生で2回目)人生の迷子✖️なぞの体調不良✖️精神的ストレスのフルコンボでボコボコに殴られてタオルを投げてくれる人もいなければ、自分の人生、自分でどうにかしないといけないと焦りまくり。
藁にも縋りたい気持ち。
そうだ、占いに行こう!
どうせならイケおじにしよう!
もし、占いがダメでもイケおじとの時間プライスレス!
そう思っていた。
結果的にイケおじは、イケおじではなかったし、占いは今やもう占いでもなんでもない。
「まずはノートを用意して。
それから、そこに自分の好きなことを書く」
そのときにはもう何だか信用しきっていた。
そして、最後に言われた「自分の好きな山に行きなさい」という言葉によって、ハーブの猫先生と出会うことになるである。
つづく
手作りフレッシュハーブバター
猫先生の提案でハーブバターをつくることに!
生クリームをあらかじめ常温で1時間ほど放置して、振る振る。
いっぱい振らないだめかと思いきや、割とすぐに固形に。
最近、ハーブ界ではトウキが流行りだとか。
そんなこと全然知らない私、入れますとも。流行りですから。
家に帰ってすぐにパンにつけて食べると
「うまぁ〜!!」
至福のひとときでした。