猫先生のハーブ
ハーブとはいえ、弟子の知識はほぼ無いに等しいくらい。
香りものが好きなので、精油がおいてあればクンカクンカ匂いを嗅ぐ。
節操もなく次から次へ。端から端まで飽きるまで嗅ぐ。
お店にとって非常に迷惑である。
あとはと言えば、母が庭で畑をしていて、どこからともなく生えたレモンバームを「また生えてる!雑草が!!」と引っこ抜く姿。
一応、ハーブとは知っている母だが、雑草扱いである。
そんな母に育てられた弟子の私。
レモンバーム、庭によく生えてる、雑草ハーブ。
となんたる酷い扱い。
レモンバームが泣いてるぞ。
とまぁ、その弟子とハーブの関係といえばその程度である。
そこで私に猫先生がハーブってなんぞやの話をしてくれた。
「ハーブってなんだかお洒落なイメージがあるでしょ。そうじゃなくて、もっと身近に生活の中で取り入れてほしいの。
食べる、飲むだけじゃなくて、香りを楽しんだりクラフトに使ったり、ローションなんかを作ったり、防虫スプレーなんかもね。
それにハーブって、野菜とかスパイスなんかもそう。植物の力、役に立ってくれている植物、雑草なんかもそうだけど、その全てをハーブって私は思っているの」
ズガーン!と稲妻が走る。
なんとまぁわかりやすい説明!
ハーブの可能性無限大。
ネギや生姜もハーブなんて!
ハーブに囲まれて澄んだ空気の中で、私はスーハースーハー呼吸をちゃんとして、猫先生も含め、ここに来ると自分にパワーが注がれている気がした。